はじめに|遺言書は「家族への最後の思いやり」です
「遺言書なんて、お金持ちが書くものでしょう?」そう思っていませんか。実は、遺言書はどなたにとっても大切な「家族へのメッセージ」です。残されたご家族が相続をめぐって争う、いわゆる「争続(あらそうぞく)」を防ぐためにも、遺言書は大きな役割を果たします。
とはいえ、いざ書こうと思っても「どんな種類があるの?」「自分で書いて大丈夫?」と疑問がわいてくるものです。この記事では、神戸で終活を考えはじめた40代〜70代の皆さまに向けて、遺言書の種類と作り方の基礎をわかりやすくご紹介します。
遺言書には主に3つの種類があります
法律で定められた遺言書(普通方式)には、大きく分けて3つの種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
1. 自筆証書遺言(じひつしょうしょゆいごん)
もっとも手軽に作成できるのが、この自筆証書遺言です。その名のとおり、ご自身で全文を手書きする遺言書です。
- メリット:費用がかからず、いつでも一人で書ける。内容を誰にも知られずに作成できる。
- デメリット:形式に不備があると無効になりやすい。紛失や改ざんの恐れがある。
注意したいのは、財産目録を除く本文はすべて自筆で書く必要がある点です。パソコンで打った本文や、録音・録画は認められません。日付・氏名の記載と押印も必須です。
近年は法務局で自筆証書遺言を預かってくれる「自筆証書遺言書保管制度」も始まりました。紛失や改ざんのリスクを減らせるため、活用を検討するとよいでしょう。
2. 公正証書遺言(こうせいしょうしょゆいごん)
公証人という法律の専門家が関与して作成する、もっとも確実性の高い遺言書です。公証役場で2人以上の証人立ち会いのもと作成します。
- メリット:法律のプロが作成するため無効になりにくい。原本は公証役場で保管されるので紛失・改ざんの心配がない。
- デメリット:作成に費用がかかる(財産額に応じて数万円〜)。証人が必要。
「確実に思いを残したい」「相続財産が複雑」という方には、この公正証書遺言が安心です。神戸市内にも公証役場がありますので、お近くの役場に相談できます。
3. 秘密証書遺言(ひみつしょうしょゆいごん)
遺言の内容を秘密にしたまま、その存在だけを公証役場で証明してもらう方式です。内容は誰にも知られませんが、形式不備で無効になる可能性もあり、実際にはあまり使われていません。まずは自筆証書遺言と公正証書遺言の2つを覚えておけば十分です。
遺言書に書いておきたい主な内容
遺言書には、次のようなことを記すことができます。
- 誰に、どの財産を、どれだけ相続させるか
- 不動産(自宅など)の取り扱い
- 預貯金や有価証券の分け方
- お世話になった方への遺贈(いぞう)
- 遺言の内容を実行する「遺言執行者」の指定
また、財産の分け方だけでなく、「家族への感謝の言葉」を添える「付言事項(ふげんじこう)」を書くこともできます。法的な効力はありませんが、なぜそのように分けたのかという気持ちが伝わり、ご家族の納得につながります。
自筆証書遺言の書き方|5つの基本ルール
ご自身で書く場合は、次のルールを必ず守りましょう。一つでも欠けると無効になる恐れがあります。
①全文を自筆で書く
本文はすべて手書きが原則です。ただし、財産目録だけはパソコン作成や通帳コピーの添付が認められています(各ページに署名・押印が必要)。
②作成した日付を正確に書く
「令和7年5月吉日」のような曖昧な書き方は無効です。「令和7年5月10日」と具体的に記載しましょう。
③氏名を自署する
戸籍どおりのフルネームで署名します。
④印鑑を押す
認印でも有効ですが、実印を使うとより確実です。
⑤訂正は決められた方法で
書き間違えた場合の訂正方法も法律で決められています。不安な場合は、新しく書き直すのが安全です。
こんなときは専門家に相談を
次のような場合は、自己流で書くより専門家に相談することをおすすめします。
- 不動産が複数あり、分け方が複雑
- 相続人どうしの仲が良くなく、トラブルが心配
- 事業や会社を経営している
- 再婚されていて、前の配偶者との間にお子さんがいる
- 相続人がいない、または特定の人に多く残したい
こうしたケースでは、公正証書遺言を選んだり、行政書士・司法書士・弁護士などの専門家のサポートを受けたりすると安心です。
遺言書づくりは「元気なうち」がおすすめ
遺言書は、判断能力がしっかりしているうちに作成する必要があります。体調を崩してからでは、思うように書けなかったり、内容の有効性が問われたりすることもあります。「まだ早い」と思っている今こそ、書きはじめる絶好のタイミングなのです。
一度書いた遺言書は、何度でも書き直すことができます。まずは現在の気持ちを形にしておき、状況が変わったら見直す。そんな気軽な姿勢で取り組んでみてください。
まとめ|神戸で遺言書のことを相談するなら「あい神戸」へ
遺言書には自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3種類があり、ご自身の状況に合った方法を選ぶことが大切です。なかでも手軽な自筆証書遺言と、確実な公正証書遺言の2つを押さえておきましょう。
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